分析の限界を超える!ダンスインストラクター発の“感覚リサーチ”が変える商品開発とマーケティング

――数字では測れない「心地よさ」をどう捉えるか

アンケートやデータだけでは見えない「感覚の声」を掴む。ダンスインストラクターの観察力を活かした体験型リサーチで、ウェルネス企業のブランド価値を高める方法を紹介。

近年、商品開発やマーケティングの現場では「データドリブン」という言葉が常識になりました。
しかし、アンケートやアクセス解析をどれだけ精緻にしても、「なぜこの商品が好きなのか」「どうしてこの体験に惹かれるのか」という“感覚の理由”までは説明できないことがあります。
ウェルネスやライフスタイル領域では特に、消費者が求めているのは数値化できる性能ではなく、「気持ちよさ」や「自分らしさ」といった感情的価値です。

では、その“感覚”をどう理解し、商品やサービスに活かせばよいのでしょうか。
そこで注目されているのが、ダンスインストラクターの身体知を活かした「感覚リサーチ」という新しいアプローチです。

身体が語る、消費者の“本音”

ダンスインストラクターは、日常的に人の「体の声」を読み取るプロフェッショナルです。
レッスン中、生徒の表情や姿勢、呼吸のリズムから「今、楽しい」「少し緊張している」といった感情の変化を瞬時に察知します。
これはマーケティングにおける“非言語データ”の観察に通じるスキルです。

たとえば、ウェアを試着した瞬間の肩の動きや、シューズを履いた際の体重のかけ方には、言葉よりも正直な「感覚的評価」が現れます。
「動きやすい」「窮屈」「軽やか」――これらの感覚を、ダンスインストラクターは視覚的・動作的に読み解くことができます。
その観察結果を商品開発やプロトタイプ検証に活かすことで、従来のアンケートでは見落としていたリアルな消費者インサイトを発見できるのです。

感覚を“可視化”する体験型リサーチ

この身体的アプローチを活用した「体験型リサーチ」では、商品を実際に使いながら、消費者の自然な動作や反応を分析します。
たとえば、フィットネスウェアや健康食品の新商品開発では、モニターが商品を使用した状態で軽いダンスやストレッチを行い、その際の動作・姿勢・表情を専門家が観察。
「着て動きたくなるデザイン」「飲むと体が軽く感じる」といった、感覚的価値を直接捉えることが可能になります。

また、リモート環境でもオンラインワークショップ形式でこのリサーチを行うことができ、場所や人数を問わず柔軟に実施できるのも特徴です。
参加者の反応をリアルタイムで共有することで、開発チーム全体が「消費者の体感」を同じ温度感で理解できるのも大きなメリットです。

ダンス的感性を応用した商品開発とPRの融合

ダンスの本質は「動きと感情の一体化」にあります。
そのリズム感や一体感の原理は、商品体験やブランド表現にも応用できます。

例えば…

  • ウェア開発では「動きの自由度」や「布の揺れ」が心地よさを生む要素として分析可能。
  • 食品・ドリンク開発では、摂取後の“体の軽さ”“エネルギーの湧き上がり”といった身体的感覚を定性的に捉えられます。
  • PRやSNS施策では、ダンサーの身体表現を通じて商品の世界観やリズムを「動きで伝える」映像表現が注目されています。

ダンスインストラクターを巻き込むことで、単なる商品説明ではなく、“体で感じるストーリーテリング”を可能にします。
感情と身体を同時に刺激するアプローチは、ユーザーの共感を呼び、自然な口コミ(UGC)を促進します。

「身体知」が拓く、データの次のステージ

データ分析と身体的感覚は対立するものではなく、むしろ補完関係にあります。
数値が“何が起きているか”を示す一方で、身体知は“なぜそう感じるのか”を明らかにします。

ダンスインストラクターが持つ「観察力」と「共感力」は、消費者の言葉にできない感覚を翻訳し、ブランド開発の羅針盤となります。
それは、従来のリサーチが苦手としてきた“人間の曖昧さ”を、ポジティブに活かす新しい方法論です。

身体を通じた理解は、ウェルネスやスポーツ関連商品だけでなく、日用品・化粧品・サービス体験など、幅広い業界で応用可能です。
今後、企業と消費者が「動きを共有する」体験を軸に共創する時代が来ています。

まとめ:数字の外にある“感覚の声”を聞く

身体の反応を読むプロフェッショナルと企業が手を組むことで、データには現れない“生きたインサイト”が見えてくる。
それは、ブランドの未来を形づくる新しい共創の第一歩となるでしょう。

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