社員が本当に参加したいコトを考える 海外の最新事例から見る「参加したくなるウェルネス」の現在地

企業のウェルネス施策というと、どんなものを思い浮かべるでしょうか。

ヨガ、ウォーキング、健康セミナー、フィットネスチャレンジなど、社員の健康を考え、さまざまな取り組みを行う企業が増えています。

一方、最近の海外の動きを見ていると、ウェルネスの形は少しずつ広がっているようです。

「健康のために何かをする」だけではなく、誰かと一緒に楽しむ。自然に人が集まる。仕事から少し離れて、心と体をリセットする。

そんな体験も、企業や職場のウェルネスとして捉えられるようになってきました。

今回は、最近報じられた海外の事例や動きから、「社員が参加するウェルネス」の現在地を見てみます。

仕事仲間との交流が「飲みに行く」だけではなくなってきた

職場の交流といえば、仕事帰りの飲み会。そんな光景も、少しずつ変わり始めているようです。

2026年、米Business Insiderは、職場の仲間との交流として、従来のハッピーアワーに代わり、グループワークアウト、ランニング、ピラティス、サウナ、コールドプランジなどを選ぶ動きについて紹介しました。

記事では、フィットネスブランドへの企業予約が増えていることや、企業が健康と交流を組み合わせた体験を選ぶようになっていることも報じられています。

興味深いのは、参加者が必ずしも「健康になるため」だけに集まっているわけではないことです。

同僚と一緒に何かを体験する。

その選択肢の一つとして、ウェルネスが入ってきています。

「運動すること」と「人とつながること」が近づいている

これは企業の中だけの動きではありません。

近年、海外ではランクラブが単なる運動の場ではなく、人と出会い、つながる場所としても注目されています。

ニューヨークでは2026年にも、ランクラブが若い世代の新しいソーシャルスポットとして報じられました。

走った後にコーヒーを飲む。イベントを楽しむ。新しい友人ができる。

ここでも、運動だけが目的ではありません。

体を動かすことが、人と人が自然に関わるきっかけになっている。

こうした社会全体の変化は、これから企業がウェルネスイベントを考えるうえでも興味深い動きです。

「何かをする」だけでなく、「休む」こともウェルネスに

もう一つ、異なる方向の動きもあります。

オーストラリアでは、Allianzの職場ウェルビーイング施策として、メンタルヘルスデー、会議を入れない日、会議と会議の間のバッファ時間などが報じられました。

これは、イベント型のウェルネスとはまったく違います。

社員に新しい活動への参加を促すのではなく、回復するための時間を働き方の中につくるという考え方です。

ウェルネスというと、つい「何を開催するか」を考えがちです。しかし海外では、動くこと、人とつながること、休むことのすべてが、職場のウェルビーイングを考える対象になっています。

ウェルネスの形は、一つではない

最近の海外の動きを見ていると、企業ウェルネスを一つの形で説明することは難しくなっているようです。

体を動かす。人とつながる。心を休める。働き方を見直す。

企業や社員によって、必要なものは違います。

実際、2026年の職場ウェルビーイングをめぐる議論でも、単発の施策だけではなく、ウェルビーイングを企業の仕組みや組織全体に組み込もうとする動きが紹介されています。

だからこそ、これから企業のウェルネスを考えるとき、「何を開催するか」だけではなく、「社員はどんな形なら参加したくなるのか」という視点も、少し気になるところです。

運動が好きな人もいれば、苦手な人もいる。大人数のイベントが好きな人もいれば、そうではない人もいる。誰かと一緒だから参加してみようと思う人もいる。

「健康のため」と言われても動かないけれど、「ちょっと面白そう」なら参加してみたい人もいるかもしれません。

企業のウェルネスは、これからどんな形になっていくのでしょうか

今回取り上げた動きは、それぞれ異なります。

同僚との交流にウェルネスを取り入れる。運動を、人とつながるきっかけにする。あえて何もしない時間をつくる。

どれか一つが正解というわけではありません。

ただ、海外の事例を見ていると、ウェルネスという言葉が指す範囲は、以前よりも少し広がっているようです。そして、その広がりの中には、企業がウェルネスイベントを考えるときのヒントもありそうです。

社員は、どんなウェルネスなら参加してみたいと思うのか。

このシリーズでは、海外企業や世界の最新事例を追いながら、企業ウェルネスの現在地を紹介していきます。

次回は、実際の企業事例をもう少し詳しく見ながら、社員が自然に参加する取り組みは、どのように始まっているのかを探ってみたいと思います。

参考・引用元

Business Insider(2026年)
職場の交流が、従来の飲み会からグループワークアウト、ランニング、ピラティス、サウナなどのウェルネス体験へ広がっている動き。

New York Post(2026年6月)
ニューヨークのランクラブが、運動だけでなく、人との出会いやコミュニティ形成の場になっている動き。

オーストラリアで報じられたAllianzの職場ウェルビーイング施策(2026年)
メンタルヘルスデー、会議を入れない日、会議間のバッファ時間などの取り組み。

Global Wellness Institute「Workplace Wellbeing Initiative Trends for 2026」
2026年の職場ウェルビーイングについて、単独のプログラムから、組織や企業活動全体への統合という流れ。


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