ダンスのステップはできるようになってきたけれども、なんだかビシッときまらない、動きのひとつひとつにキレが出ない、しっかりと止まれないといったお悩みを抱えていませんか?今回の記事ではダンスをレベルアップさせるために「体幹」が必要な理由と、体幹の鍛え方についてご紹介します。
「体幹」とは
スポーツをするなかでよく耳にする体幹とは「体の幹」のことを指します。つまりこれは胴体のことで、具体的には胸、背中、腰回り、腹筋、お尻のすべてが体幹の構成要素となっており、これが体を動かすためのベースです。
さらに詳しく説明すると、この胴体というのは腹腔と呼ばれる内臓が詰まっている部分を囲んでいる筋肉のことを指します。上部に横隔膜があり、背中側に多裂筋、お腹周りには腹横筋、その下には骨盤底筋群があり、この4つの筋肉に腹腔は囲まれているため、ここをしっかりと鍛えることで結果として体の中心がしっかりとしてくるのです。
コアトレがダンス人生を変える!?
頭・腕・脚の動きに影響を与える体幹は、ダンスムーブメントで必要な身体の軸と言っても過言ではありません。体幹がしっかりと鍛えられていることで、体全体のコントロールが効くようになるためキレのある動きに繋がります。
また、体幹を鍛えることで腰痛を予防することも可能です。腰にある腰椎は上半身の重さを支える役割を担っているため、腰椎や周辺の筋肉、神経といった組織への負荷がかかりやすくなっています。その負荷が蓄積し、異常をきたすと痛みの原因となって腰痛を発症してしまうのです。
先ほど紹介した4つの筋肉「横隔膜」「多裂筋」「腹横筋」「骨盤底筋群」は、腰椎を安定させるとともに腰椎の連結を強化して正しい位置に保つことができるため、腰椎や腰の筋肉にかかる負担を軽減し、結果として腰痛の予防に有効となります。
また、体の中心が安定して動きやすくなるため、 バランスを崩したり間違った体の使い方をしたりしてケガをするリスクが軽減されます
インナーマッスルスルこそしっかり鍛えたい
体幹は「インナーマッスル」や「ローカル筋」という呼ばれ方もしていますが、体の外からみてそれが鍛えられているのかそうではないのかがわかりにくいという特徴があります。
例えば、どんなに脚のステップを早くしようと思っても、どんなに腕の動きをスムーズにしようと思っても、体幹がグラグラだと脚にも腕にも動きがうまく伝わりません。また、見た目が筋肉隆々であっても転びやすかったりバランスが悪かったりする場合は、肝心な体幹が鍛えられていない証拠だと言えるでしょう。
胴体とつながっている頭・腕・脚を上手に動かそうと思った場合は、やはり体幹=インナーマッスルを鍛える必要があるのです。
アウターマッスルとインナーマッススルの役割の違いも知っておこう
インナーマッスルは体の深い部分にある深層筋のことを指しますが、アウターマッスルは体の表面に位置する表層筋のことを指します。
アウターマッスルは、走ったり、ものを持ち上げたりするような大きな力が必要な際に使われるほか、外部の衝撃などから骨を守る重要な役割も持っている筋肉です。一方のインナーマッスルには、アウターマッスルによる動作を安定させる役割があります。
このようにインナーマッスルとアウターマッスルには根本的な違いがあり、それぞれの役割を発揮することによって、複雑な体の動作をスムーズに行うことができています。そのため、どちらか一方だけを鍛えれば良いというものでは決してなく、インナーマッスルとアウターマッスルをバランス良く鍛えることが重要です。
やればやるだけ結果がわかりやすいコアトレ
コアトレ(体幹を鍛える)は最初のうちはうまくできなくて当たり前です。でも、筋トレを続けていくことでダンスが踊りやすくなっていたり、ぽっこりお腹の改善ができたりとうれしい影響を感じることができるでしょう。
最初はできなくてイヤになってしまったり、続けるのが難しくなってしまったりするかもしれません。そんなときは、「インナーマッスルを鍛えるための腹筋が5回しかできなかったのに10回できるようになった」「プランクが20秒でもキツかったのに1分できるようになってきた」など、自分の成長を喜んでみてください。
筋トレはやった分だけ成果が目に見えるため、自分自身の変化に気づくことが筋トレを継続するコツだと言えます。最初のうちは痛くてつらいと感じるかもしれませんが、自分自身が変わっていくことで筋トレをする楽しみがどんどん湧いてくるはずです。ぜひ、筋トレの効果を楽しみながら体幹を鍛えてみてくださいね。