ダンスの世界最高峰D.LEAGUE ダンス競技への注目度は右肩上がり 

2024年パリオリンピックで初めて競技種目として加わった「ブレイキン」では、女子種目・B-Girlsで湯浅亜実(Ami)が初代女王に輝き、男子種目・B-Boysでは半井重幸(Shigekix)が決勝トーナメントに進出し、4位入賞を果たしました。近年、急速な盛り上がりをみせるダンスは競技人口が増え続けており、日本国内でもムーブメントを起こし始めています。

今回はそんなアツイブームを巻き起こしているダンスの世界最高峰ともいえるダンスリーグ「D.LEAGUE」についてご紹介します。

ダンス競技への注目度は右肩上がり

一般社団法人ストリートダンス協会が発表したデータによると、日本国内のダンス競技人口は2015年時点で約600万人にのぼり、サッカー競技人口である700万人に次ぐほどの人気種目へと押しあがりました。これは、2012年に保健体育の授業でダンスが必修になったことが大きく影響していると考えられますが、現在、小中高あわせたダンス経験者の規模は約2000万人にものぼっています。

熱い熱戦を繰り広げた2024年のパリオリンピックで新競技としてダンスの「ブレイキン」を正式種目に採択した理由として、国際オリンピック委員会(IOC)が若者のオリンピック離れを危惧したからであると言われていますが、ダンスは日本だけのムーブメントではなく世界中でも注目を浴びているスポーツのひとつだと考えられています。

2021年にD.LEAGUEが誕生

そんななか、日本国内においては2021年にプロダンスリーグ「D.LEAGUE」が誕生しました。これはダンスに励む人たちにとって夢のステージであり、目指すべきゴールの場所として現在多くのファンを集めています。

D.LEAGUEとは

D.LEAGUEは、“世界中すべての人に、「ダンスがある人生」をもたらす”をミッションに掲げた日本発のプロダンスリーグです。リーグの活動を続けることでダンスの裾野を広げ、「誰でもダンスが楽しめる」、「すべての人の人生に欠かせないものになる」といった“NEW STANDARD”の創造を目指して活動が行われています。

D.LEAGUEをサポートする企業

D.LEAGUEではさまざまな企業がスポンサーとして協力しています。トップパートナーとしてソフトバンク株式会社、タイトルスポンサーとして第一生命保険株式会社、ドリンクスポンサーとして、日本コカ・コーラ株式会社がサポートしています。

また、今期より新たにゴールドスポンサーとして株式会社三井住友銀行の参加も決定しました。他にも、久光製薬株式会社、カバヤ食品株式会社、LINEヤフー株式会社、株式会社爽健グローバル、株式会社トレーダーズマーケットなどもパートナー企業として名を連ねています。

D.LEAGUEの募集要項

日本国内のダンサーだけではなく、さまざまな企業からも注目されているD.LEAGUEの募集要項についてご紹介します。

  • 対象年齢:小学生、中学生、高校生
    ※または2024年4月1日時点で17歳以下であること
  • 出場人数:8名〜12名参加費1名/4,000円 (税込)
    ※ディレクター自身が出演する場合はディレクターにも参加費がかかります。
  • エントリー期間:2024年1月28日〜2024年4月30日まで
  • エントリー制限:先着50チーム ※以降はキャンセル待ちになります
  • 各予選勝ち抜きチーム数:
    • 北日本予選 最大3チーム
    • 東日本予選 最大8チーム
    • 中日本予選 最大5チーム
    • 西日本予選 最大8チーム
    • 南日本予選 最大5チーム

D.LEAGUEへの参加資格

D.LEAGUEには細かな参加資格の項目が設けられています。(以下、D.LEAGUE公式サイトより引用

スタジオ参加資格

  • ダンススタジオとはダンススクール、ダンスサークル、ダンスセンターなどを含む定期ダンスレッスンをユーザーに対して提供する団体を指す。
  • ダンススタジオで定期レッスンしていることを証明できること。
  • ダンススタジオとして名称があり、HPもしくはSNSなどが実在していること。
  • ダンススタジオが本大会の定める予選参加可能エリアに所在すること(複数店舗がある場合は、店舗ごとに参加可能)。
  • 出演するダンサーとディレクターが参加資格の要件を満たすこと。
  • 同ダンススタジオからは最大3チームのエントリーが可能。
    ※スタジオが複数店舗存在している場合、店舗ごとに3チーム出演可能。

ダンサー参加資格

  • ダンススタジオを通してエントリーフォームからダンサー登録をすること。
  • 小学生、中学生、高校生であること(または2024年4月1日時点で17歳以下)。
  • 他チーム(別スタジオまたは同スタジオ内別チーム)でダンサー登録をしていないこと。
  • 現役のDリーガー、またはD.LEAGUEチームのディレクターでないこと。

※同スタジオ内で1チームはディレクター参加、もう1チームはダンサーとしての参加は可能。

ディレクター参加資格

  • ダンススタジオを通してエントリーフォームからディレクター登録をすること。
  • ディレクターとは振付、音楽、衣装を決定する人を指す(振付師ではない)。
  • ディレクターの選出は必ず1名であること(チームや複数は不可)。
  • 複数のスタジオでディレクターを兼任することはできない。
  • 同スタジオであればディレクターは複数チームを兼任してディレクションすることが可能。
  • 現役のDリーガー、またはD.LEAGUEチームのディレクターでも着任は可能

※ディレクターはスタジオ所属のダンサー(レッスン講師)である必要はなく、外部から招致することも可能。
※振付師は複数のスタジオを兼任することは可能。
※ダンサー・ディレクターの現住所は問わない。
※ダンサー・ディレクターは期間内の変更は可能(その際はフォームから変更)。

チームについて

D.LEAGUEのチームはレギュラーダンサー、SPダンサー、ディレクターによって構成されています。

レギュラーダンサーはシーズンを通じて出演し、SPダンサーは期間限定で出演することになりますが、SPダンサーは特別にチームに招かれるため、人数も含めて不定期での参加です。

なお、ディレクターの役割とはチームの監督的なポジションになりますが、レギュラーダンサーもしくはSPダンサーとして出演する場合もあります。

シーズンについて

D.LEAGUEでのシーズンは、レギュラーシーズン、チャンピオンシップ、アワードによって構成されており、年間を通してゲームが開催されています。

最初のレギュラーシーズンは全12ラウンドで構成され、各ラウンドは全11チームのショーによって構成されています。その後のチャンピオンシップへは、上位4チームとワイルドカード2チームの計6チームが進出。

※ワイルドカードとは、上位4チームを除き、ジャッジポイント、オーディエンスポイントが1位の2チームのことを指します。

最後のアワードでは、今シーズンの活躍で優れたダンサーやディレクターを表彰します。受賞ダンサーによるパフォーマンスが行われ、ファンと一緒にシーズンを振り返ります。

D.LEAGUEの審査方法

D.LEAGUEでは、各チーム8名でのショータイムが2分~2分15秒以内と規定されており、限られた時間内で全11チームがレギュラーシーズンを戦います。

レギュラーシーズンでは、以下の5項目(各10点)で採点が行われ、各50点×審査員4名の200点満点で評価を行います。加えて、ファンによるオーディエンス得点も加わり、これらの総得点によって各ラウンドでの順位が決定し、その順位をもとに勝ち点が配分されます。

  • スキル / 10点

    スキルとは、各チームのダンサーの一人一人の技や動きのリズム感、基礎力、難易度・完成度のことを指します。

    ダンスにおいて最も重要な要素であるリズム感、そして各ジャンルにおいて多数存在する基礎となるあらゆるトラディショナルな動きなどを、どの難易度と完成度をどのように音楽に調和させてコントロールしているのかを総合的に判断し、評価します。

  • クリエイション / 10点

    クリエイションとは、各チームそれぞれのダンサーによる独自の技や一つひとつの動きに加えて、革新性、独創性がある作品かどうかを指します。

    ダンスの世界で伝統的に取り入れられているムーヴやステップに対して、これまでと違った新たな見せ方や演出方法などを用いているかなど、さまざまな視点において斬新さを評価します。

  • コレオグラフ / 10点

    コレオグラフとは、チームごとに用意した振付や構成、演出を指しています。

    これは、ダンサー同士のシンクロ度やフォーメーション、そのチーム独自の世界観の創出などで主に判断され、それらの観点から振付のパフォーマンス力の優劣をつけます。とはいえ、これらの要素が必須なのではなく、あくまでそれらを駆使したうえで総合的にショーの質を高めた振付であったかどうかについてを評価します。

  • スタイル / 10点

    スタイルとは、さまざまな要素を駆使してショーを演出し、観るものを楽しませる総合的な力量のことを指します。

    ショーの世界観を想起させるような衣装選びや小道具の使い方、あるいはその巧みさが重要となります。また、「かっこいい」「かわいい」「美しい」といった形容できる世界観がきちんと創出されているかどうかも評価のポイントです。

  • 完成度 / 10点

    完成度とは、一つのショーを通して見た時にオーディエンスを飽きさせない力量を指します。

    一つの作品の全体の流れにおいて改良の手を加えることが必要かどうか、などの改良の余地の少なさなどを完成度として評価します。

D.LEAGUEでの賞金・特典

ダンサーにとって夢の舞台であるD.LEAGUEでは、さまざまな賞金や特典が用意されています。

予選優勝賞金

予選リーグで優勝した場合、総額 300,000円が授与されます。内訳は、チームに10万円、ディレクターに10万円、スタジオに10万円です。

決勝優勝賞金および特典

決勝で優勝した場合は、総額 1,500,000円が授与されます。内訳は、チームに50万円、ディレクターに50万円、スタジオに50万円です。

加えて以下の特典も与えられます。

  • D.LEAGUE開幕戦でのパフォーマンス権(該当チーム1枠)
  • DANCEALIVE FINALメインステージでのゲスト出演権(該当チーム1枠)
  • 翌年のS D.LEAGUE決勝大会出場シード権(該当スタジオ1枠)

過去の優勝者

最後に、過去4度のアツイ熱戦を繰り広げてきたD.LEAGUEの歴代優勝チームをご紹介します。

D.LEAGUE 20-21チャンピオン「AVEX ROYALBRATS」

2021年1月10日に開幕した「D.LEAGUE 20-21」では、参加した9チームのうち総合1位のFULLCAST RAISERZ、2位のavex ROYALBRATS、3位のSEGA SAMMY LUX、4位のKOSE 8ROCKSが勝ち抜き、チャンピオンシップへと進みました。

チャンピオンシップはトーナメント方式で行われ、セミファイナルを勝ち抜いたFULLCAST RAISERZとavex ROYALBRATSがファイナルに進出。avex ROYALBRATSは得意とするヒップホップで勝負し、初代王者に輝きました。なお、3位決定戦では、SEGA SAMMY LUXが3位となっています。

D.LEAGUE 21-22チャンピオン「KOSÉ 8ROCKS」

2021年11月14日に開幕した「D.LEAGUE 21-22」で優勝に輝いたのは「KOSÉ 8ROCKS」です。この年のリーグはコロナの影響を大きく受けた年となりました。ラウンド6では、コロナの影響でavex ROYALBRATS、dip BATTLES、KADOKAWA DREAMSの3チームが欠場。欠場の場合のCSPは1点しかつかないため、この3チームはラウンド6で大きく失速しました。

優勝したKOSÉ 8ROCKSチームも例外ではなく、チャンピオンシップ直前に3人のメンバーが新型コロナウイルスに感染し、出演できないという非常事態を迎えましたが、残るメンバーで猛練習を行い、お互いにカバーし合った結果、見事優勝を掴み取りました。

D.LEAGUE 22-23チャンピオン「KADOKAWA DREAMS」

2022年10月2日に開幕した「D.LEAGUE 22-23」の決勝戦へと駒を進めたのは、三度目にして初めてチャンピオンシップへと進出したKADOKAWA DREAMSと、D.LEAGUE 22-23レギュラーシーズン優勝チームであるCyberAgent Legitでした。

先攻のKADOKAWA DREAMSは、フリンジのついた真っ白な衣装を身にまとい、爆発力のあるダンスを力一杯に踊りました。すべてのダンサーの気迫が観る者の胸に迫るナンバーとなりました。

後攻のCyberAgent Legitは、緩急ある振付と見事なダンスで観客を釘付けにしましたが、結果は8-4でKADOKAWA DREAMSが見事勝利を掴み取りました。

D.LEAGUE 23-24チャンピオン「KADOKAWA DREAMS」

2023年10月29日に開幕した「D.LEAGUE 23-24」のチャンピオンシップが、2024年6月9日、東京ガーデンシアターにて行われました。決勝では昨シーズンと同じく、KADOKAWA DREAMSとCyberAgent Legitの対戦に。

王者KADOKAWA DREAMSが選んだテーマは「ONE」です。KADOKAWA DREAMSの王道スタイルであるヒップホップを中心に、アクロバットを存分に詰め込んだ完成度の高い作品を披露しました。

対するCyberAgent Legitは「ALL FOR GOLD」がテーマです。一寸の狂いもないユニゾンとそれぞれの強みを生かしたパフォーマンスを披露。結果は6-5でKADOKAWA DREAMS が見事、2年連続優勝を飾りました。

>> Lino Podマガジントップへ戻る