もう三日坊主にならない!ジムを習慣にするヒント

はじめに:なぜ「続ける人」と「辞める人」に分かれるのか?

「今年こそ痩せる!」「夏までに身体を引き締めたい!」と意気込んでジムに入会したのに、数週間後にはフェードアウト…。そんな経験、ありませんか?

一方で、淡々と週に数回通い続け、楽しそうにトレーニングを継続している人もいます。「あの人は意志が強いから…」と片づけてしまいがちですが、実はそこにはちょっとした工夫や考え方の違いがあるだけかもしれません。

今回は、「続ける人」と「すぐ辞めてしまう人」の違いを5つの視点から比較して、ジム通いを習慣にするヒントをご紹介します。

比較①【目的の明確さ】「なんとなく」では続かない

続かない人:「なんとなく痩せたい」「健康に良さそうだから」

続く人:「3ヶ月後にこの服を着こなしたい」「筋力をつけて腰痛を改善したい」

明確な目的があるかどうかは、大きな差になります。ただ「痩せたい」「健康に」では、あいまいすぎて行動につながりません。続けている人は「こうなりたい」という具体的なゴールを描いています。

ただし、結果にこだわりすぎると、変化が出ないときに落ち込みやすくなるのも事実。小さな変化を楽しむこと、プロセスそのものを面白がれることが、長く続ける秘訣です。

比較②【目標設定の仕方】高すぎる理想より、「ちょっとできた」でOKを

続かない人:「毎日通う!」「1ヶ月で5kg痩せる!」→ハードルが高すぎて続かない

続く人:「週1〜2回行けたらOK」「15分だけでも動けたら合格」→ 無理のない設定で習慣化へ

最初のやる気が高いときほど、「週5で通う」「すぐに成果を出す」といった“理想の自分”を基準に目標を立てがち。でも、現実は思うようにいかない日もあります。

そんなとき、「できなかった自分」に落ち込んでしまうと、やる気も自信もどんどん下がってしまいます。

「まずは慣れること」をゴールにしてみましょう。「今日は行けただけでもえらい」「5分だけストレッチでもOK」と、小さな達成を自分で認めることができているのです。

これは、サボりではなく“習慣化のための戦略”

「がんばらなくても心地良くいられる自分かどうか」と思えることが、結果的に長く続けるいちばんの力になります。

比較③【ジムの選び方】「頑張らないと行けない場所」より「気楽に寄れる場所」を選ぶ

続かない人:通うのに時間がかかる、気合が必要、雰囲気が合わない

続く人:家や職場の近く、雰囲気が気楽、行くのが苦にならない

「よし、今日は行くぞ!」と毎回気合を入れないと行けないジムは、忙しい日や気分が乗らないときには、どうしても後回しになってしまいます。

たとえば、家から遠かったり、オシャレすぎて気後れしたり、通うこと自体にエネルギーが必要な場所だと、習慣化の前に気持ちが折れてしまうことも。

逆に、続いている人の多くは、「行くことが特別なことになっていない」のが特徴です。たとえば、通勤の途中にあるとか、買い物ついでに立ち寄れる場所にあるとか。ちょっと立ち寄るコンビニのように、「頑張らなくても行ける」ことが大きなポイントです。

さらに、雰囲気も重要。無理して自分を奮い立たせる場所よりも、「ここにいるとホッとするな」「なんか心地いいな」と思えるジムは、気がつけば自然と足が向く場所になっていきます。

「通うことに気力を使わない」仕組みをつくることで、継続の難しさはグッと減らせます。

比較④【運動の楽しみ方】「がんばる」より「ちょっと好きになれること」を探す

続かない人:苦手な運動を我慢して続けようとする/毎回同じ内容で飽きてしまう

続く人:音楽や雰囲気を楽しむ/「好きになれそう」を少しずつ増やしていく

運動を「つらいこと」「我慢するもの」として捉えていると、モチベーションを保つのはとても難しくなります。たとえば、苦手なランニングを無理して続けたり、筋トレだけを黙々と繰り返したり…。そういった“義務的な運動”は、心が疲れてしまいます。

一方で、ジム通いを続けている人の多くは、運動の中に「ちょっとした楽しみ」や「気持ちよさ」を見つけるのが上手です。

たとえば――

  • スタジオレッスンの音楽が心地よくて、自然と身体が動く
  • 「今日は体をほぐすだけの日」と決めてリラックスモードで参加
  • 自分のペースでできるマシンを使って、無理せず達成感を味わう
  • ジムでお気に入りのインストラクターに会うのがちょっと楽しみ

このように、ほんの少しでも「好きになれそう」「これは悪くないかも」と感じる要素があれば、運動は「苦行」から「ちょっとした楽しみ」に変わります。

また、「運動=脂肪燃焼のため」「痩せるため」だけにしてしまうと、思うように結果が出ないときに一気にやる気がなくなってしまいます。だからこそ、“結果以外の楽しみ”を見つけておくことが、継続のカギ。

「今日は行きたくないけど、あの音楽だけでも聴きたいな」「15分だけストレッチして気持ちよくなろう」――そんなふうに、心がちょっと前向きになれる瞬間を見つけることが、運動を“続けられるもの”に変えてくれるのです。

比較⑤【結果の捉え方】「変わらない」ではなく「変わってきたかも?」に気づけるか

続かない人:「1週間で痩せない…」「1週間で体重が減らない」「見た目が全然変わらない」→ 焦りや落胆がモチベーションを奪う

続く人:「最近よく眠れる」「階段が楽になった気がする」→ 小さな変化を前向きに捉える

ジムに通い始めると、多くの人が「痩せたい」「筋肉をつけたい」「健康になりたい」といった目に見える“結果”を期待します。それ自体は悪いことではありませんが、結果を急ぎすぎると、「思ったほど変わらない」「努力がムダだった」と感じてしまい、継続をあきらめるきっかけになってしまいます。

でも、身体の変化は目に見えにくい部分から、ゆっくり始まります。

たとえば――

  • 前より疲れにくくなった
  • 気持ちが前向きになった
  • 肩こりが減った
  • 夜ぐっすり眠れるようになった
  • ごはんが美味しく感じるようになった

こうした「感覚的な変化」や「暮らしの中のちょっとした心地よさ」は、数値には表れにくいけれど、確実に“運動が身体にいい影響を与えている”証拠です。

さらに、数字だけを指標にしてしまうと、「増えた」「減らない」と一喜一憂するばかりで、自分を責めやすくなってしまいます。

続いている人は、「数字以外の変化」にも敏感です。そして、そうした“やさしい気づき”を自分にプレゼントできる人は、心を折らずに続けられます。

「変わっていないように見えて、実は少しずつ整ってきている」。そう信じて、今の自分の感覚や気持ちにも目を向けてみましょう。

まとめ:続けるには「仕組み」と「考え方」を整えること

「続く人」は、自分に優しい人だった

ジム通いが続いている人を見ると、「根性があるな」「意志が強いんだろうな」と思うかもしれません。でも実際は、その多くが“がんばりすぎない工夫”や“自分に合ったスタイル”を見つけている人たちです。

最初からうまくいかなくて当然。むしろ、「毎日やろう!」「すぐに効果を出したい!」と意気込むほど、挫折しやすくなります。うまくいかない日があっても、「まあ今日はお休みでOK」と自分に優しくできることのほうが、長い目で見ればよほど大きな力になります。

続けるために大事なのは、「どんなに小さくても前に進めた」という実感。そして、自分の心と体がラクになれる選択肢を少しずつ持っておくことです。

  • 近くのジムで“通うハードル”を下げる
  • 音楽や友人といった“楽しさ”を加える
  • 体重ではなく“気分や体調の変化”に目を向ける
  • 「週1回でもOK」と思える柔らかい目標を持つ

こうした小さな要素の組み合わせが、あなたにとっての「続けられる形」になっていきます。

だから焦らなくて大丈夫。すべてを完璧にこなさなくていいのです。うまくいかない日も受け入れながら、「また次、少しだけやってみよう」と思える心の余白こそが、継続のいちばんの味方です。

ジム通いも運動も、“やること”ではなく、“付き合い方”を変えるだけで驚くほどラクになります。

あなた自身に合った形を、ぜひじっくり探してみてください。続けることは、思っているよりもずっと、やさしくて自由なものなのです。

おまけ:続けるためのミニチェックリスト

  • □ 通いやすいジムを選べていますか?
  • □ 楽しい・気持ちいいと思える運動、少しでも見つかっていますか?
  • □ 「週1回でも大丈夫」と思えている日がありますか?
  • □ 数字ではなく、自分の気分や体調に目を向けられていますか?

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